ファクタリング用語集|50語以上の専門用語をわかりやすく解説

ファクタリング用語集

ファクタリングに関する専門用語を50語以上、わかりやすく解説します。

1. 基本用語

【ファクタリング(Factoring)】

企業が保有する売掛債権(未回収の請求書)をファクタリング会社に売却し、早期に資金を調達する金融サービス。貸付ではなく債権の売買であるため、融資と異なり負債が増えない。資金繰り改善を目的に中小企業や個人事業主が多く利用する。

【売掛金(うりかけきん)】

商品・サービスを提供したが、まだ入金されていない代金のこと。貸借対照表では流動資産に計上される。支払期日まで現金化できないため、資金繰り悪化の主な原因となることが多い。ファクタリングの対象となる資産。

【売掛債権(うりかけさいけん)】

商取引で発生した売掛金を法律上の権利として捉えた概念。売掛金と実質的に同義だが、法的文脈では「債権」として扱われる。ファクタリングでは売掛債権をファクタリング会社に譲渡する形で取引が成立する。

【2社間ファクタリング】

利用企業とファクタリング会社の2社間で取引を完結させる方式。売掛先(取引先)への通知・承諾が不要なため、取引先に資金繰りの状況を知られずに済む。ただし3社間に比べて手数料が高く、相場は10〜30%程度。

【3社間ファクタリング】

利用企業・売掛先・ファクタリング会社の3社が関与する方式。売掛先への通知と承諾が必要となるが、ファクタリング会社が直接回収できるためリスクが低く、手数料相場は1〜9%と2社間より大幅に安い。

【手数料(てすうりょう)】

ファクタリング会社が債権買取の対価として差し引く費用。売掛金額に対する割合(%)で表示される。2社間は10〜30%、3社間は1〜9%が相場。手数料が極端に高い(30%超)場合は違法業者の疑いがあるため注意が必要。

【資金繰り(しきんぐり)】

企業の日常的な現金の入出金を管理・調整すること。売上があっても入金が遅れると資金が不足し、黒字倒産の原因になる。ファクタリングは売掛金の入金を前倒しにすることで、資金繰りの改善に活用される。

【即日ファクタリング】

申込当日中(最短2時間程度)に審査・契約・入金まで完了するファクタリング。急な資金需要に対応可能で、多くのオンライン専門業者が提供している。ただし即日対応は手数料が高めになる傾向があるため、余裕があれば事前に複数社を比較検討すること。

【買取限度額(かいとりげんどがく)】

ファクタリング会社が一度に買い取れる売掛債権の上限金額。業者によって異なり、数十万円から数億円まで幅広い。利用企業の規模や売掛先の信用力によっても変動する。

【オンラインファクタリング】

申込から契約・入金まで全てWeb上で完結できるファクタリングサービス。来店不要で24時間申し込めるため、地方の事業者にも利用しやすい。書類はPDF・写真で提出可能。近年急速に普及している。

2. 契約・手続き用語

【債権譲渡(さいけんじょうと)】

売掛債権をファクタリング会社に移転させる法律行為。民法467条に基づき、債務者(売掛先)への通知または承諾が第三者対抗要件となる。2社間ファクタリングでは通知なしで行われるが、法的にはリスクを伴う。

【債権譲渡登記(さいけんじょうととうき)】

法人が売掛債権を譲渡した事実を法務局に登記すること。登記により第三者への対抗要件を備えることができる。ファクタリング会社が二重譲渡リスクを防ぐために行うことが多く、登記費用が手数料に含まれる場合がある。

【対抗要件(たいこうようけん)】

権利の移転を第三者に主張するために必要な法律上の条件。売掛債権の場合、売掛先への通知または承諾、もしくは確定日付ある証書による通知が対抗要件となる(民法467条)。この要件を満たさないと、第三者による二重譲渡に対抗できない。

【通知・承諾(つうち・しょうだく)】

3社間ファクタリングで、売掛先(債務者)に債権譲渡の事実を知らせ(通知)、売掛先がそれを認める(承諾)手続き。これにより売掛先は直接ファクタリング会社に支払う義務が生じる。確定日付のある内容証明郵便で通知するのが一般的。

【審査(しんさ)】

ファクタリング会社が買取可否と手数料率を決定するための調査。融資審査と異なり、利用企業自身の信用力よりも売掛先の信用力・支払能力が重視される。そのため赤字決算や税金滞納があっても利用できるケースがある。

【必要書類(ひつようしょるい)】

ファクタリング利用時に提出する書類。一般的に請求書・入金確認できる通帳コピー・本人確認書類が必要。法人の場合は登記簿謄本や決算書を求められることもある。オンライン業者ではPDF・画像での提出が可能。

【支払期日(しはらいきじつ)】

売掛先が代金を支払う約定の日。通常は請求書に記載されており、「月末締め翌月末払い」「60日サイト」などのサイクルで設定される。支払期日が遠いほど資金繰りが厳しくなるため、ファクタリングの需要が高まる。

【集金代行(しゅうきんだいこう)】

2社間ファクタリングで、売掛先からの入金を一旦利用企業が受け取り、ファクタリング会社に引き渡すこと。売掛先に通知せずに済む代わりに、利用企業が回収の仲介役を担う。入金後は速やかにファクタリング会社に送金する義務がある。

3. リスク・保護に関する用語

【ノンリコース(償還請求権なし)】

売掛先が倒産・不払いとなった場合でも、ファクタリング会社が利用企業に買戻しを求めない契約形態。リスクがファクタリング会社側に移転するため、利用企業にとって安全性が高い。正規のファクタリングはノンリコースが原則。

【リコース(償還請求権あり)】

売掛先が支払不能になった場合、ファクタリング会社が利用企業に債権の買戻しを求めることができる契約形態。利用企業に残債務のリスクが残るため、実質的に担保付き融資に近い。国内では少ないが、国際ファクタリングでは一般的。

【貸倒リスク(かしだおれりすく)】

売掛先が倒産や経営悪化により売掛金を支払えなくなるリスク。ファクタリングを活用することで、このリスクをファクタリング会社に転嫁できる(ノンリコースの場合)。売掛先の信用力が審査に大きく影響する理由でもある。

【二重譲渡(にじゅうじょうと)】

同一の売掛債権を複数のファクタリング会社に売却する行為。詐欺罪に問われる可能性があり、絶対に行ってはならない。ファクタリング会社は債権譲渡登記などでこのリスクを防ぐ対策を講じている。

【架空債権(かくうさいけん)】

実際には存在しない取引を装って作成した偽造請求書にもとづく債権。ファクタリング会社をだます詐欺行為であり、刑事責任を問われる。審査時に取引実態の確認が行われるのはこのリスクへの対策のため。

【黒字倒産(くろじとうさん)】

損益計算書上では黒字(利益あり)でも、手元の現金が不足して支払いができなくなる倒産のこと。売上があっても入金が遅れると起こりうる。ファクタリングで売掛金を早期現金化することが有効な予防策となる。

【民法466条】

債権の譲渡性を定めた条文。原則として全ての債権は譲渡できる(2017年改正で譲渡制限特約がある債権も金銭債権は第三者に対抗できると明確化)。ファクタリングの法的根拠となる基本条文。

【民法467条】

指名債権の譲渡の対抗要件を定めた条文。債権を譲渡した事実を債務者(売掛先)に通知するか、債務者の承諾を得ることで、第三者にも権利の移転を主張できる。確定日付のある証書(内容証明郵便など)での通知が必要。

【貸金業法(かしきんぎょうほう)】

貸付を業として行う者(貸金業者)を規制する法律。ファクタリングは債権の売買であり「貸付」ではないため、原則として貸金業法の対象外。ただし、実質的に融資と同等の取引と認定された場合は同法が適用されるケースがある。

【出資法(しゅっしほう)】

正式名称「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」。金利の上限(年109.5%)や違法な資金調達を規制する法律。ファクタリングが実質的に金銭の貸借と認定された場合、手数料が同法の規制対象となる可能性がある。

【金融庁(きんゆうちょう)ガイドライン】

金融庁がファクタリング業者に対して示した指針。適正なファクタリングと違法な貸付の区別基準を提示しており、手数料の透明性・契約内容の明確化・強引な取立ての禁止などを求めている。契約前に業者がガイドラインを遵守しているか確認すること。

【譲渡制限特約(じょうとせいげんとくやく)】

売掛先が「売掛債権を第三者に譲渡してはならない」と取引契約に定めた条項。2020年の民法改正により、譲渡制限特約があっても金銭債権の譲渡自体は有効となったが、売掛先が承諾しない場合はファクタリング会社に支払いを拒める場合がある。

5. 業界・種類別用語

【医療ファクタリング】

医療機関が診療報酬債権(健康保険から支払われる医療費)をファクタリング会社に売却する仕組み。診療から保険支払いまで1〜3ヶ月かかるため、キャッシュフロー改善に活用される。支払元が健保連・社保などの公的機関であるため信用リスクが低く、手数料も比較的低い。

【診療報酬ファクタリング】

医療機関が診療報酬(保険請求)を売掛債権としてファクタリング会社に売却すること。支払機関が社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険団体連合会と信用力が高いため、審査が通りやすく低手数料での利用が可能。

【建設業ファクタリング】

建設・工事業者が工事代金の請求書をもとに資金調達する方法。建設業界は代金回収サイクルが長く(2〜3ヶ月以上)、材料費・人件費を先払いする必要があるため、資金繰りが悩みとなりやすい。ファクタリングで工事完了後すぐに入金できる。

【一括ファクタリング】

大企業や発注元(買主)が金融機関と組んで導入する仕組み。大企業が支払う手形・請求書を金融機関が買い取り、取引先(売主)に早期支払いをする。売主は手形割引より低コストで資金調達でき、買主は支払条件の改善で仕入先を支援できる。

【国際ファクタリング】

輸出入取引に伴う売掛債権を対象としたファクタリング。輸出ファクタリング会社と輸入国のファクタリング会社が連携して与信・回収を行う。通常は2社のファクタリング会社が介在する「2ファクター方式」が採用される。

【注文書ファクタリング】

請求書ではなく発注書(注文書)をもとに資金調達できるサービス。通常のファクタリングは納品・請求書発行後が対象だが、注文書ファクタリングなら仕事を受注した段階で早期に資金化できる。主に中小企業・フリーランス向け。

【給与ファクタリング(違法)】

個人の給与債権(将来受け取る給料)を売却する形の資金調達。名称はファクタリングだが、実質は高金利の貸付とみなされ、貸金業法違反の可能性がある。最高裁判所の判例(2020年)でも給与ファクタリングは「貸付」と判断されており、利用してはならない。

【ABL(アセット・ベースト・レンディング)】

売掛債権・在庫・機械設備などの事業資産を担保に融資を受ける資金調達手法。ファクタリングが債権の「売却」であるのに対し、ABLは資産を担保にした「融資」。金融機関が積極的に取り組んでいる中小企業向け資金調達手段の一つ。

【手形割引(てがたわりびき)】

支払期日前の約束手形を金融機関や割引業者に買い取ってもらい、早期に現金化する方法。ファクタリングに似ているが、手形割引は「貸付」扱いで信用調査や収入印紙が必要。手形の発行が減少している現在、ファクタリングが代替手段として普及している。

【与信管理(よしんかんり)】

取引先(売掛先)の信用力を継続的に評価・管理すること。ファクタリング会社はこれを専門に行い、売掛先の倒産リスクを審査する。利用企業にとっては、ファクタリング会社の与信管理機能を活用することで、貸倒リスクの軽減が図れる。


ファクタリングに関するご相談は、まず複数社に問い合わせることをおすすめします。手数料・審査条件・入金スピードは業者によって大きく異なります。当サイトの記事一覧もあわせてご参照ください。