個人事業主・フリーランスもファクタリングを使える?条件と注意点
「個人事業主やフリーランスでも、ファクタリングって使えるの?」そんな疑問を持つ方は多いはずです。
ファクタリングはもともと法人向けのサービスというイメージが強いですが、近年は個人事業主・フリーランスに対応したサービスが急増しています。
一方で、「法人と比べて条件が厳しい」「審査が通らない」といった声もあり、利用前に注意点を把握しておくことが重要です。
この記事では、個人事業主・フリーランスがファクタリングを利用するための条件・必要書類・注意点を詳しく解説します。
個人事業主・フリーランスがファクタリングを使える理由
ファクタリングは「売掛債権の売買」だから個人でも利用できる
ファクタリングは、銀行融資のような「お金を借りる」行為ではなく、「売掛債権(請求書)を売る」取引です。
そのため、法人格の有無は本質的な要件ではありません。
個人事業主・フリーランスであっても、クライアントへの請求書(売掛金)が発生している場合は、その債権を売却することでファクタリングを利用できます。
📌 ポイント:ファクタリングは融資ではなく「売掛金の売買」です。
個人事業主・フリーランスが発行した請求書も「売掛債権」に該当するため、法人と同様に利用できます。
フリーランス向けファクタリング市場が拡大している背景
近年、フリーランス人口の増加に伴い、個人向けファクタリングサービスが急拡大しています。
経済産業省の推計では、日本のフリーランス人口は約300〜400万人に達しており、報酬の回収遅延に悩む個人が増えていることがその背景にあります。
大手ファクタリング会社のほか、オンライン専門のフリーランス向けサービスも登場し、以前と比べて利用のハードルが大幅に下がっています。
個人事業主・フリーランスがファクタリングを利用するための条件
必須条件:法人または個人に対する売掛債権があること
ファクタリングを利用するためのもっとも基本的な条件は、「売掛債権(未回収の請求書)が存在すること」です。
法人クライアントへの請求書はもちろん、個人事業主間の取引に基づく請求書でも対象になることがあります。
ただし、以下の点に該当する場合は審査が難しくなります。
- 請求書の宛先が個人(消費者)である場合
- 売掛先の信用情報が著しく低い場合
- 既に支払い期日を過ぎた売掛金(延滞)
- 同一売掛先に複数回の未回収がある場合
審査で重視されるのは「売掛先」の信用力
ファクタリングの審査において最も重視されるのは、申込者本人(個人事業主)ではなく、売掛先(クライアント)の信用力です。
なぜなら、ファクタリング会社は売掛金が期日通りに支払われるかどうかを審査しているからです。
- 売掛先が大企業・上場企業:審査通過しやすく、手数料も低め(3〜9%程度)
- 売掛先が中小企業:審査はやや厳しくなり、手数料は10〜20%程度
- 売掛先が個人・実績のない小規模事業者:審査対象外になるケースもある
申込者本人(フリーランス)に求められる条件
売掛先の信用力が主な審査対象とはいえ、申込者本人についても一定の条件が求められます。
- 事業実態があること(開業届・確定申告書などで証明できること)
- 売掛金の存在を証明できる請求書・契約書があること
- 二重譲渡(同一売掛金を複数のファクタリング会社に売ること)をしていないこと
- 反社会的勢力でないこと
個人事業主・フリーランスが用意すべき必要書類
基本的に必要な書類(2社間ファクタリングの場合)
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 請求書(売掛金の証明) | ファクタリング対象となる請求書 |
| 本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
| 通帳のコピー(直近3〜6ヶ月) | 取引実態・売上の確認 |
| 確定申告書(直近1〜2年分) | 事業実態の証明(開業間もない場合は不要なことも) |
| 契約書・発注書(あれば) | 請求書の裏付けとして提出 |
法人と比較すると、決算書や法人謄本が不要な分、書類の準備は比較的少なくて済みます。
オンライン専門のファクタリング会社では、請求書と本人確認書類のみで申し込めるケースもあります。
開業届を提出していない場合でも利用できる?
開業届の提出は必須ではないファクタリング会社が多いですが、事業実態の証明という意味では開業届があったほうがスムーズです。
開業届がない場合でも、通帳の入出金履歴や確定申告書、請求書の発行履歴などで代替できることがあります。
副業として行っている場合でも、請求書を発行して継続的に取引していれば、利用可能なケースがあります。
個人事業主がファクタリングを利用する際の注意点
手数料が法人より高くなりやすい
個人事業主・フリーランスの場合、法人と比べて手数料が高めに設定されることが多い傾向にあります。
これは、個人事業主の信用情報や事業の継続性が法人より審査しにくいことが理由です。
| 区分 | 2社間手数料の目安 | 3社間手数料の目安 |
|---|---|---|
| 法人(中小企業) | 10〜20% | 1〜5% |
| 個人事業主・フリーランス | 15〜30% | 3〜9% |
対応していないファクタリング会社もある
すべてのファクタリング会社が個人事業主・フリーランスに対応しているわけではありません。
大手のなかには法人のみ対応のところも多く、事前に「個人事業主OK」かどうかを確認することが重要です。
フリーランス専門のファクタリングサービスを選ぶと、審査基準が個人向けに最適化されており、スムーズに利用できることが多いです。
二重譲渡は厳禁・詐欺業者に注意
同一の売掛金を複数のファクタリング会社に売却する「二重譲渡」は、詐欺行為に該当します。
バレた場合には、一括返済を求められるだけでなく、法的措置を取られる可能性もあります。
また、フリーランス向けをうたう悪質業者も存在します。契約前に必ず以下を確認しましょう。
- 手数料が明記されているか(「後から追加費用」は要注意)
- 会社の所在地・代表者名が明確か
- 給与ファクタリング(給与の前払いを装ったサービス)ではないか
FAQ(よくある質問)
Q. 開業して間もないフリーランスでも利用できますか?
A. 利用できるケースはあります。
事業開始から日が浅くても、請求書・通帳の入出金実績・契約書があれば審査に通ることがあります。
ただし、実績が少ない分、手数料が高めになったり、審査が厳しくなる場合があります。
Q. クレジットカードの支払い遅延があっても審査に影響しますか?
A. ファクタリングはCIC・JICCなどの個人信用情報機関への照会を行わないのが原則です。
そのため、クレジットカードの延滞や過去の借入履歴は基本的に審査に影響しません。
審査の主眼は申込者本人の信用情報ではなく、売掛先の支払い能力にあります。
Q. 副業フリーランスでもファクタリングは使えますか?
A. 副業であっても、事業として請求書を発行しクライアントから報酬を受け取っている場合は利用できる可能性があります。
ただし、会社員としての本業収入との区別が必要で、副業の請求書のみが対象になります。
Q. 「給与ファクタリング」と通常のファクタリングは何が違いますか?
A. 給与ファクタリングは「給与の前払い」を装ったサービスで、実質的には違法な高金利貸付とみなされる場合があります。
金融庁は給与ファクタリングについて違法性を指摘しており、利用には十分な注意が必要です。
正規のファクタリングは、事業者が発行した「請求書(売掛債権)」の売買を指します。
まとめ
個人事業主・フリーランスでも、売掛金(請求書)があればファクタリングを利用できます。
審査の主眼は申込者本人ではなく売掛先の信用力にあるため、信用情報に不安がある方でも利用できるケースが多いです。
ただし、法人と比べて手数料が高めになりやすい点と、個人事業主対応のファクタリング会社を選ぶ必要がある点には注意しましょう。
利用前に複数社から見積もりを取り、手数料・対応スピード・必要書類を比較した上で申し込むことをおすすめします。
また、給与ファクタリングや過度に手数料が高いサービスへの注意も怠らないようにしましょう。